中年ポスドクの生存報告日記

うだつのあがらない中年ポスドクが、日々の徒然を書きためつつ、研究生活における生存報告を行います。ポスドクじゃなくなったら卒業する予定。

女の子を幸せにしない漫画は名作になってはいけない、と中年ポスドクは思う

女の子を幸せにしない漫画は名作になってはいけない、と中年ポスドクは考えてます。

 

大事なことだからもう一度言います。

 

女の子を幸せにしない漫画は名作になってはいけない、と中年ポスドクは考えてます。

 

ハーレム漫画・・・男の子向けの漫画の王道パターンの一つですね。沢山の美少女が1人の(冴えない)主人公を慕い集まる、というなんとも非現実的で、でも誰もが憧れるシチュエーションです。

いや、別にハーレム展開が悪いと言ってるわけじゃないんです。ハーレム、いいじゃないですか。現実世界じゃうだつの上がらない中年ポスドクだって、せめて漫画の世界の中くらいは理想の美少女に囲まれてハーレム×ハーレムしたいですよ。

でもね、忘れちゃいけないことがある。ハーレム漫画の主人公には、慕い集まる女性皆を幸せにする義務と責任があるってこと。ハーレムという制度の都合上、確かに全員を幸せにするのは確かに難しいけど、そここそ主人公の気概とご都合主義で何とかして欲しいわけですよ。

何でこんなに熱くなっているかというと、売上高の観点からは既に名作認定されている、↓の漫画をつい最近読む機会があったからです。

ハヤテのごとく! 44 (少年サンデーコミックス)

ハヤテのごとく! 44 (少年サンデーコミックス)

 

 主人公の朴念仁黒執事は、生まれ持っての天然ジゴロ能力を発揮して次から次へと周囲の女の子を虜にしていくわけですが、どうにもこうにも「釣った魚には餌を全くあげない」非人道的なハーレム展開を繰り広げていきます。勇気を出して告白しようとしたら昔の彼女がでてきて目の前でいちゃ×いちゃされる、とかいう並の人間だったら心が壊れてもおかしくないイベントが普通に展開するんですよ!!非道くないですか?作者にとって、ハーレム構成美少女は、自己承認欲求を満たすための道具に過ぎず、そこには人格も尊厳も存在しないんです。そんな漫画が世に広く読まれてしまって、人々の心に何を伝えるのでしょうか。自分の家族が(いないけど)、子供が(やっぱりいないけど)、こんな漫画を読んで当たり前だと感じていたら、寂しい限りです。

 

 逆にいいハーレム漫画だな~、と中年ポスドク的な名作認定をしたのが「神のみ」です。

  ストーリー設定との兼ね合いも色々ありますが、作者は登場人物全員の幸せと尊厳を真剣に考えて作品を編みだしたんだな、と思うんです。ラストも(・・・ネタバレ自重・・・)な展開だったけど、作者なりに苦心してたどり着いた一つの結論だったんじゃないでしょうか。

 実験に疲れた夜遅く、中年ポスドクは神のみを読んで癒やされています。この漫画が目指した、皆が納得できる世界だったら、中年ポスドクだってきっと自分の存在を納得できると思うんです。